研究課題/領域番号 |
20590938
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
桑野 剛一 久留米大学, 医学部, 教授 (60215118)
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研究分担者 |
木田 豊 久留米大学, 医学部, 講師 (30309752)
清水 隆 久留米大学, 医学部, 助教 (40320155)
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キーワード | Mycoplasma pneumoniae / 肺炎 / リポプロテイン / TLR / 感染症 / 抗体 / サイトカイン |
研究概要 |
我々が既に報告したMycoplasma pneumoniae(M.p)由来の炎症誘起物質であるリポプロテインFAM、N-ALPについて、下の項目の結果を得た。 (1) FAMのELISAによる検出 前年度、FAMの配列から2箇所、抗体エピトープ(aa123-140、aa162-180)を選択して、ウサギポリクローナル抗体を作成した。本年度、同様なエピトープに対して、マウスモノクローナル(MAb)抗体の製作に成功した。前者エピトープに対しては、13株(IgGアイソタイプ:12株、IgMアイソタイプ:1株)、後者に対しては8株(IgG:5株、IgM:3株)の細胞株を樹立した。これらのMAbは、ウエスタンブロットでFAMを検出することができた。ところが、ウサギポリクローナル抗体と同様にサンドイッチELISAを構築したが、FAM抗原の検出感度は、ウサギポリクローナル抗体のそれより低かった。 (2) M.p感染細胞におけるFAM、N-ALPの免疫染色による検出 マウス由来の腹腔滲出単球のM.p感染細胞では、FAM、N-ALPに対するウサギポリクローナル抗体は、それぞれ、特異的に抗原を検出できた。しかし、マウスのM.p感染肺組織では、明らかなFAM、N-ALP抗原を検出できなかった。また、マウスMAbは、エピトープ(aa123-140)を認識するIgMアイソタイプが感染細胞のFAM抗原を検出した。しかし、他のMAbはFAM抗原を検出できなかった。 (3) FAM20(FAMの合成リポペプチド)の機能解析 M.p肺炎の症例においては、一過性の肝障害を認めることがあり、マウスモデルで肝障害を認めるか検討した。in vitroで十分な活性を有するFAM20をマウスの尾静脈より投与したが、肝機能障害マーカーの上昇を認めなかった。血清中にFAM20の阻害因子が存在する可能性が示唆された。
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