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2010 年度 実績報告書

カルシウム感知受容体による尿酸性化調節機能の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590942
研究機関東北大学

研究代表者

森本 哲司  東北大学, 病院, 助教 (10344657)

キーワード微小単離細管灌流法 / 細胞内アルカリ化 / 腎髄質部の太いヘンレの上行脚 / H^+-K^+-ATPase / カルシウム感知受容体(CaR)
研究概要

今年度は、腎結石症症例から尿中落下尿細管細胞培養系を用いて、尿細管上皮でのカルシウム感知受容体(CaR)の発現や機能解析を行う予定だった。しかし、個人情報保護の理念を遵守する旨をお話したにも関わらず、御同意を得ることができず、最終的には本研究手法を用いた検討を行うことが出来なかった。
一方、昨年度までに微小単離尿細管灌流法を用いて、腎髄質部の太いヘンレの上行脚(mTAL)の血管側に、CaR作動薬投与時の細胞内アルカリ化がKイオンに依存性であることを立証した。今年度は、この事実をさらに裏付けるためにH+-K+-ATPaseの阻害薬であるウアバインを用いた実験を行った。管腔側に1.5mMのウアバイン存在下または非存在下に、血管側に0.4mMのネオマイシンを投与して、その前後の細胞内pHを測定した。その結果、投与前のipHは7.06±0.03で投与後は7.08±0.03とほとんど変化がみられず、ウアバインによってネオマイシンによる細胞内アルカリ化が抑制されることがわかった。なお、今年度はmTAL以外の尿細管分節におけるCaRを介した細胞内pH制御について研究を推し進める予定であったが、細胞活性を維持した状態で尿細管を単離することが予想外に困難だったため、報告に値する十分な検討が出来なかった。
最終的に、今年度の研究ではCaR作動薬の一つであるネオマイシンをmTALの血管側に添加した際にみられる細胞内アルカリ化は、管腔側に発現しているH+-K+-ATPaseを介したプロトンの分泌亢進によって生じるものと結論付けた。

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公開日: 2012-07-19  

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