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2010 年度 実績報告書

転写因子MafBによる糖尿病性腎症の制御

研究課題

研究課題/領域番号 20590944
研究機関筑波大学

研究代表者

森戸 直記  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70463825)

研究分担者 楊 景堯  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90323302)
キーワード糖尿病性腎症 / Maf群蛋白質
研究概要

維持透析患者は28万人、それにかかる医療費は1兆円を超え、末期慢性腎不全への進行の抑制は医療経済的な面からも重要な課題となっている。透析導入疾患の多くを占めるのが糖尿病性腎症である。最近になり糖尿病性腎症の発症と増悪に糸球体上皮細胞が重要な役割を果たしていることが明らかになってきた我々らは、糸球体上皮細胞に発現する大Maf群転写因子であるMafBに着目し、MafBノックアウトマウスを作製した(Mol.Cell.Biol.26:5715-5727,2006)。このマウスは足突起が癒合するというユニークな糸球体上皮細胞の発生異常を呈した。さらに糸球体上皮細胞に発現する種々の分子の発現を調べたところ、ネフリン、ポドシン、CD2APといった糸球体上皮細胞足突起構成分子の発現が劇的に減少していた。
本研究では転写因子MafBの糸球体上皮細胞での機能を明らかとし、糖尿病性腎症の進行防御にどのように関わってしるかを検討した。
データベース上でネフリン、ポドシン遺伝子の制御領域を調べてみたところ、ヒト、マウス間で高度に保存された領域を発見した。その領域にはMafBの結合しうるMaf認識配列(MARE)が含まれていた。これはMafBが直接ネフリン、ポドシンの発現制御をしている可能性を示唆した。ゲルシフトアッセイを行なったところMafBがネフリン、ポドシ'制御領域のMAREに結合する可能性が示された。さらに、ネフリン、ポドシン制御領域のMAREを用いたルシフェラゼアッセイによりMafBが同部位に結合し転写を活性化する可能性が示された。さらに、ネフリンプロモーターを用いた腎糸球体上皮細胞にMafBを過剰発現させたマウスを作製しストレプトゾトシンによる糖尿病を誘導した。MafB過剰発現により糖尿病性腎症の発症の抑制に寄与するかどうか解析を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] A novel transgenic mouse model of the human multiple myeloma chromosomal translocation t(14;16)(q32;q23).2011

    • 著者名/発表者名
      Morito N, et al.
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 71 ページ: 339-348

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Focal segmental glomerulosclerosis as a complication of hepatitis B virus infection.2011

    • 著者名/発表者名
      Sakai K, et al.
    • 雑誌名

      Nephrology Dialysis Transplantation

      巻: 26 ページ: 371-373

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Role of endogenous retroviruses in murine SLE.2011

    • 著者名/発表者名
      Baudino L, et al.
    • 雑誌名

      Autoimmune Review

      巻: 22 ページ: 27-34

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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