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2008 年度 実績報告書

糸球体バリアー機能における新規細胞間情報伝達系SHPS-1-CD47の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590945
研究機関群馬大学

研究代表者

野島 美久  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90201699)

キーワード糸球体バリアー機能 / 情報伝達 / SHPS-1 / CD47
研究概要

スリット膜は糸球体上皮細胞に備わる特殊に分化した細胞問接着装置であり、系球体バリアー機能の要構造とされている。近年スリット膜を構成する分子がチロシンリン酸化されることが明らかにきれ、バリアー機能がリン酸化カスケード解析されるようになった。本研究課題は、新規の受容体型分子SHPS-1(チロシン脱リン酸化酵素SHRの基質)とそのリガンドCD47を新たな切り口として、スリット膜のバリアー機能を脱リン酸化シグナルの側面から解明することを目的とするものである。
平成20年度の研究のより、以下のことを明らかにした。第一に、マウスの腎臓でSHPS-1が足細胞、特にスリット膜近傍に多く発現いていることを確認した。第二に、SHPS-1MUマウスの腎糸球体は、光学顕微鏡上明らかな形態異常を認めず、蛋白尿や腎臓能障害も存在しないが、電子顕微鏡で観察すると、糸球体上皮細胞の微細構造の異常が存在することを明らかにした。SHPS-1MUマウスとは、細胞質内領域を欠くために下流にシグナルを伝達できない変異型SHPS-1を発現する遺伝子改変マウスである。第三に、アドリアマイシンを投与して誘導される蛋白尿が野生型マウスに比較してSHPS-1MUマウスでは明らかに大量であることを明らかにした。第四に、ストレプトゾトシンを投与することにより糖尿病性腎症を誘導すると、野生型マヴスに比べてSHPS-1MUマウスでは大量の蛋白尿が誘導された。以上の解析結果より、糸球体上皮細胞に発現されるSHPS-1が上皮細胞の構造と機能の維持に必須の分子であり、蛋白尿のバリアー機能に重要な役割を果たしていることが裏付けられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Resistance to collagen-induced arthritis in SHPS-1 mutant mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Okuzawa C, Kaneko Y, Murata Y, Miyake A, Saito Y, Okajo J, Tomizawa T, Kaneko Y, Okazawa H, Ohnishi H, Matozaki T, Nojima Y.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 37

      ページ: 561-566

    • 査読あり
  • [学会発表] Src Homology 2 Domain-Containing Protein Tyrosine Phosphatase Substrate 1(SHPS-1) Protects Against Podocyte Injury2008

    • 著者名/発表者名
      Tomioka M, Hiromura K, Takeuchi, Tetsushi S, Takahashi T, Okuzawa C, Maeshima A, Kuroiwa T, Kaneko Y, Saito Y, Ohnishi Hi, Matozaki T, Nojima Y
    • 学会等名
      The Annual Meeting of American Society of Nephrology
    • 発表場所
      Philaderphia, USA
    • 年月日
      2008-11-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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