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2009 年度 実績報告書

糸球体バリアー機能における新規細胞間情報伝達系SHPS-1-CD47の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590945
研究機関群馬大学

研究代表者

野島 美久  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90201699)

キーワード糸球体バリアー機能 / 情報伝達 / SHPS-1 / CD47
研究概要

スリット膜は糸球体上皮細胞に備わる特殊に分化した細胞間接着装置であり、糸球体バリアー機能の要構造とされている。近年スリット膜を構成する分子がチロシンリン酸化されることが明らかにされ、バリアー機能がリン酸化カスケードで解析されるようになった。本研究課題は、新規の受容体型分子SHPS-1(SIRP1α)とそのリガンドCD47を新たな切り口として、スリット膜のバリアー機能を脱リン酸化シグナルの側面から解明することを目的とするものである。本研究により以下のことが明らかにされた。(1)SHPS-1は糸球体の足細胞、特にスリット膜近傍に多く発現している。(2)SHPS-1の細胞質内ドメインを欠失する変異マウス(SHPS-1MUマウス)の腎糸球体は、光学顕微鏡上明らかな形態異常を認めないが、電子顕微鏡で観察すると、糸球体上皮細胞の足突起の形態異常が存在する。(3)SHPS-1MUマウスでは野生型マウスに比し、微量ではあるが有意の蛋白尿が検出される。(4)アドリアマイシンを投与して誘導される蛋白尿が野生型マウスに比較してSHPS-1MUマウスでは明らかに大量である。(5)ストレプトゾトシンの投与により糖尿病性腎症を誘導すると、野生型マウスに比べてSHPS-1MUマウスでは大量の蛋白尿が誘導される。以上の解析結果より、糸球体上皮細胞に発現されるSHPS-1が上皮細胞の構造と機能の維持に必須の分子であり、蛋白尿のバリアー機能に重要な役割を果たしていることが裏付けられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Fluvastatin prevents podocyte injury in a murine model of HIV-associated nephropathy.2009

    • 著者名/発表者名
      Sakurai N, Kuroiwa T, Ikeuchi H, Hiramatsu N, Takeuchi S, Tomioka M, Shigehara T, Maeshima A, Kaneko Y, Hiromura K, Kopp JB, Nojima Y.
    • 雑誌名

      Nephrol Dial Transplant. 24

      ページ: 2378-83

    • 査読あり
  • [学会発表] SIRPαは糸球体上皮細胞の形態と蛋白尿制御に関与する2009

    • 著者名/発表者名
      富岡麻衣、廣村桂樹、高橋哲史、前嶋明人、金子和光、黒岩卓、青木武生、高田邦昭、大西浩史、的崎尚、野島美久
    • 学会等名
      第10回腎不全病態治療研究会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-12-12
  • [学会発表] SIRPα(SHPS-1)Signaling Pathway Is Involved in Podocyte Structure and Function2009

    • 著者名/発表者名
      Tomioka M, Hiromura K, Takahashi S, Takeuchi S, Maeshima A, Kuroiwa T, Kaneko Y, Saito Y, Ohnishi Y, Matozaki T, Aoki T, Takata T, Nojima Y
    • 学会等名
      第42回アメリカ腎臓学会
    • 発表場所
      米国 サンディゴ
    • 年月日
      2009-10-29
  • [学会発表] 糖尿病性腎症におけるSHPS-1シグナル経路に関する検討2009

    • 著者名/発表者名
      高橋哲史, 廣村桂樹, 富岡麻衣, 竹内茂, 前嶋明人, 黒岩卓, 金子和光, 大西浩史, 的崎尚, 野島美久
    • 学会等名
      第52回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-06-04

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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