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2010 年度 実績報告書

糸球体バリアー機能における新規細胞間情報伝達系SHPS-1-CD47の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20590945
研究機関群馬大学

研究代表者

野島 美久  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90201699)

キーワード糸球体バリアー機能 / 情報伝達 / SHPS-1 / CD47 / SIRP-α
研究概要

スリット膜は糸球体上皮細胞に備わる特殊に分化した細胞間接着装置であり、糸球体バリアー機能の要構造とされている。近年スリット膜を構成する分子がチロシンリン酸化されることが明らかにされ、バリアー機能がリン酸化カスケードで解析されるようになった。SHPS-1(SIRP-α)は、細胞内にITLMモチーフを有する膜蛋白である。様々な刺激でSHPS-1のITIMがリン酸化されると、チロシン脱リン酸化酵素SHP-1/SHP-2がこれに結合して膜近傍に集合し活性化される。活性化されたSHP-1/SHP-2は周囲の分子を脱リン酸化することにより、さらにシグナルが下流に伝達される。本研究で我々はこれまで、糸球体上皮細胞がSHPS-1を特異的に発現していることを明らかにするとともに、細胞内ドメインを欠失する変異型SHPS-1を発現するマウスの解析することにより、SHPS-1が上皮細胞足突起の構造と機能に重要な分子であることを明らかにした。即ちこれまでの研究結果により、糸球体バリアー機能の維持にチロシン脱リン酸化系が関与することが強く示唆された。
そこで今年度は、培養糸球体上皮細胞を用いて、SHPS-1の欠失が細胞にどのような影響を与えるか、そのメカニズムを解明するために培養細胞を用いてin vivoでの解析を進めている。SHPS-1を欠失させる手法として、siRNAを用いる方法と、上記の遺伝子改変マウスから糸球体上皮細胞を分離し、サイクリン依存性キナーゼ(CDK4)を強制発現させて不死化させる方法とを試みている。現在これらの手法によりSHPS-1をノックダウンさせた細胞や、変異型SHPS-1を発現する細胞株が得られつつあり、研究の進展が期待される。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Nestin is a novel marker for renal tubulointerstitial injury in immunoelobulin A nenhronathv.2010

    • 著者名/発表者名
      Tomioka M, Hiromura K, N oiima Y, et al
    • 雑誌名

      Nephrology (Carlton).

      巻: 15 ページ: 568-574

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Proteomic analysis identifies insulin-like growth factor bindin protein-related protein 1 as a nodocvte product.2010

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto T, Nojima Y, et al
    • 雑誌名

      Am J Physiol Renal Physiol.

      巻: 299 ページ: F776-784

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The Immunosuppressive Drug Mizoribine Directly Prevents Podocyte Injury in Puromycin Aminonucleoside Nephrosis.2010

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi S, Hiromura K, N ojima Y., et al
    • 雑誌名

      Nephron Exp Nephrol.

      巻: 116 ページ: e3-e10

    • 査読あり
  • [学会発表] The Role of SIRPα (SHPS-1) in Experimental Diabetic Nephr opathy.2010

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T, Hiromura K, Noiima Y, et al.
    • 学会等名
      第43回アメリカ腎臓学会
    • 発表場所
      デンバー(米国)
    • 年月日
      2010-11-19

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公開日: 2012-07-19  

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