• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

腎幹細胞システムを利用した腎再生医学の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20590946
研究機関群馬大学

研究代表者

前嶋 明人  群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70431707)

キーワード幹細胞
研究概要

我々は既にBrdUラベリング法を用いて、組織幹細胞に共通する「分裂速度の非常に遅い」という性質を持つ細胞、いわゆるSlow-cycling Cellが成体腎に存在することを確認している。さらに腎障害後の再生過程で、その細胞が増殖・分化し尿細管再構築に大きく貢献する、腎幹細胞的な役割を果たすことを明らかにした(J Am Soc Nephrol 14: 3138-3146,2003,JAm Soc Nephro1 17: 188-98,2006)。
本研究ではこの腎幹細胞に焦点を当てて、加齢に伴う腎機能低下と腎幹細胞数の相関を検討した。具体的にはOsmoticポンプを用いて、様々な週齢のラットに1週間BrdUラベルし、2週間の観察期間をおいて、BrdU陽性細胞を免疫染色により検出した。これにより腎幹細胞がBrdU標識される。その結果、加齢に伴い腎幹細胞数は減少することが判明した。さらに上記ラットに虚血・再灌流障害急性腎不全モデルを作成したところ、障害後観察される増殖細胞(再生細胞)の数は加齢に伴い減少している、すなわち尿細管再生能力が低下していることを確認した。
以上のことから、加齢とともに生じる腎機能低下は、新たに作られる尿細管細胞の供給源となるべき腎幹細胞が少ないためと予想された。さらに、高齢者における薬剤性腎障害のリスグが増大するのは、再生細胞を作り出す腎幹細胞の減少により、尿細管再生がきちんと行われないためである可能性が示唆された。この腎幹細胞の数を増やすことができる治療薬の開発が将来、腎不全患者を減らす最短の道かも知れない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Fluvastatin prevents podocyte injury in a murine model of HIV-associated nephropathy2009

    • 著者名/発表者名
      Sakurai N et al.
    • 雑誌名

      Nephrol Dail Transplant 24(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Basic Nephrology 尿細管再生に関する最近の知見2009

    • 著者名/発表者名
      前嶋明人
    • 雑誌名

      Annual Review 腎臓 2009

      ページ: 43-39

  • [雑誌論文] Revised classifidation of lupus nephritis is valuable in predicting renal outcome with an indication of the proportion of glomeruli affected by chronic lesions2008

    • 著者名/発表者名
      Hiramatsu N et al.
    • 雑誌名

      Rheurnatology 47

      ページ: 702-707

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Activin A: autocrine regulator of kidney development and repair2008

    • 著者名/発表者名
      Maeshima A et al.
    • 雑誌名

      Endocr J 55

      ページ: 1-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「腎の発生と再生」尿細管細胞の再生機構2008

    • 著者名/発表者名
      宮政明、前嶋明人
    • 雑誌名

      Nephrology Frontier 7

      ページ: 148-152

  • [雑誌論文] 尿細管再生医療への道腎臓再生への挑戦2008

    • 著者名/発表者名
      前嶋明人
    • 雑誌名

      医学のあゆみ 225

      ページ: 317-320

  • [学会発表] GDNFに依存しない尿管芽の出芽メカニズム2008

    • 著者名/発表者名
      前糊人ほか
    • 学会等名
      第51回日本腎臓学会学術総会
    • 発表場所
      福岡
    • 年月日
      2008-06-01

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi