研究概要 |
ヒトES細胞から腎臓前駆細胞への分化誘導条件のin vivoでの検討 ヒトES細胞は京都大学再生医科学研究所から分与されたKhES-1、KhES-2、KhES-3を用い、維持培養には京大からプロトコール(version 1.1/2006.05.15)に従った。昨年度は5-Azacytidine,5-Aza-2'-deoxycytidine処理後、未分化マーカー(TRA-1-60,TRA-1-81,OCT)、分化誘導マーカーとしてはcadherin-11,WT-1,Pax-2,and Wnt-4を用いてFACS解析を行った結果、5-Aza-2'-deoxycytidineが効率良くWT-1蛋白を誘導し、腎臓構成細胞への分化誘導剤として、最も有望であること明らかとなった。22年度ではこの条件を基に、in vivoでの分化誘導を検討した。コントロール、5-Azacytidine,5-Aza-2'-deoxycytidine処理をしたKhES-1,2,3をSCIDマウス腎臓皮膜下へ移植し、6-24週間後、sacrificeし、形成された組織の染色を行った。尿細管マーカー、ポドサイトマーカー、内皮細胞マーカーを用いた組織染色の結果、コントロールに比較しで、5-Azacytidine処理により、尿細管細胞マーカー陽性細胞が有為に増加することが明らかとなった。一方、ポドサイトマーカー、内皮細胞マーカーには有為差はなく、5-Azacytidineには、ヒトES細胞を尿細管細胞系統へ分化誘導促進作用を持つことが明らかとなった。
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