1糸球体障害におけるUSAG-1の機能解析 申請者はUSAG-1 KOとアルポート腎症のモデルマウスであるCo14a3 KOを交配し、USAG-1/Co14a3 double KOがこのモデルの惹起する糸球体障害に抵抗性であることを見いだした。本結果は現在投稿中である。 2 USAG-1を標的とした治療戦略およびバイオマーカーの可能性 2-1 USAG-1中和抗体の作成 USAG-1蛋白は非常に壊れやすく大量精製できないために従来の方法での抗体作成が困難であった。申請者はこの問題を克服するためにgenetic vaccinationの手法を用いて抗体を作成した。 2-2 USAG-1発現抑制剤のスクリーニング 申請者はUSAG-1/LacZマウス(前述)の腎臓から初代遠位尿細管培養細胞を樹立し、そのlacZ発現変化がUSAG-1発現の変化と対応していることを確認し、この細胞を用いたLacZ活性定量系をhigh throughput screening(HTS)系として最適化した。 3尿細管セグメント分化メカニズムの解明 申請者は部位特異的にCreERT2を発現するマウスを既に作成している。これらの部位特異的inducible Creマウスをindicatorマウスと交配し、タモキシフェン依存的かつ部位特異的に遺伝子組み換えを惹起できることを確認した。
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