研究課題
(1)慢性腎障害モデル動物におけるNFκB、NFAT、TRPC6の役割の検討慢性腎障害モデル動物におけるNFκB、NFAT、TRPC6の役割を検討するために、アルドステロン持続投与・食塩負荷ラットにおいて、TRPC6のmRNA発現量を、心臓と腎臓で検討した。NFκBは、腎、心ともに活性化が見られたが、TRPC6のmRNA発現量には有意の変化を、両組織において認めなかった。一方、NFκBの影響を受けると考えられるangiotensin converting enzyme2、およびclusterinは、前者が減少傾向、後者が増加傾向を認め、さらにNFκB活性化阻害薬を用いて検討を進めている。(2)dnNFATとTRPC6の足細胞特異的過剰発現マウスによる検討昨年度作成したdominant negative NFATの足細胞特異的過剰発現マウスの2系統を継代中であり、cMyc遺伝子を接合したconstructを用いていることから、免疫組織で腎内cMyc発現部位を検討した。継代当初の世代では糸球体に弱い発現を認めたが、継代とともに発現が低下傾向にあり、その有用性を引き続き検討している。また、TRPC6の足細胞特異的過剰発現マウスが2系統得られ、その内の1系統について解析を行った。免疫組織学的には、足細胞に加えて、一部のメサンギウム細胞への発現が示唆された。一方、尿アルブミン排泄の上昇は見られず、これがTRPC6発現量が少量であるためか、あるいはTRPC6発現が足細胞障害を生じないのかを、現在検討中である。
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Journal of the Clinical Investigation 120
ページ: 408-421
Hypertension Research 32
ページ: 775-779