Long-IRBIT内のpNBCl活性抑制領域の同定kNBClとpNBClはN末の40-80個程度のアミノ酸が異なる配列を持つ以外は完全に同一である。IP3受容体結合蛋白として同定されていたIRBIT蛋白が、pNBClの特異的サブユニットとして働く、すなわちpNBClは単独で発現させるとkNBClの約20%程度の活性しか持たないが、共発現されたIRBITがpNBClのN末特異的領域に結合することにより初めてkNBClとほぼ同等の大きな活性を持つようになる。ここでIRBITにはN末により長いアミノ酸配列を持つアイソフォーム(Long-IRBIT)が存在し、IRBITと比べ限局した臓器発現パターンを示す。興味深いことにこのLong-IRBITがIRBITと同等のpNBCl結合能を有するが、IRBITとは逆にpNBCl活性を抑制することを見出した。 Long-IRBITとIRBITのC末にはメチル化酵素であるAHCY様配列が存在し、高い相同性を示していろ。したがってpNBCl活性に対する反応性の差(Long-IRBITでは抑制、IRBITでは増強)は相同性がないN末特異的配列のためと考えられろ。そこでNBCl活性抑制作用を生み出しているLong-IRBIT内アミノ酸配列を同定するために、HAタグ付のLong-IRBITのN未短縮変異型を各種作成し発現ベクターにサブクローニングし、これらをアフリカツメカエル卵母細胞にpNBClと共に共発現させ、既報の電気生理学的手法を用いた解析によってpNBCl抑制作用を司る領域を同定した。予想通りこれらの実験においてLonglRBITのN端部を削っていくに従いLong-IRBIT短縮変異型蛋白のpNBCl活性抑制は消失し、逆に活性化が徐々に回復し、IRBITと共通部分の領域近くまでのLong-IRBIT短縮変異型蛋白ではその活性化は完全に回復した。このLong-IRBIT短縮変異型蛋白もWildtypeのLonglRBITもpNBClと間違いなく結合していることはGST結合蛋白によるプルダウンアッセイにより確認している。このとからLongTRRTTはpNRCIを抑制の傾向を示していたがこれはLonglRBITの特異的N端部の前半部(約20個アミノ酸)が大きな役割を示す事が強く示唆され、現在その原因部位を特定するための検討を行っている。
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