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2009 年度 実績報告書

生命予後を規定する骨・血管型リンチャネルの分子制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20590975
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

伊藤 美紀子  兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (50314852)

キーワードリン / カルシウム / 異所性石灰化 / 破骨細胞 / リン酸トランスポーター
研究概要

慢性腎臓病(CKD)の進行とその生命予後には高リン血症が大きく関与しており、血中リン濃度の管理が重要な課題である。長期透析患者に見られる高リン血症は、異所性石灰化、二次性副甲状腺機能亢進症を誘発し、生命予後不良につながる直接的な原因となる。しかしながら高リン血症による異所性石灰化の詳細と抑制方法は現在不明であり、その解明が切望されている。骨、特に骨吸収を担う破骨細胞のリン代謝調節に注目し、異所性石灰化の制御分子の候補として、リンチャネルBVPiC85の解析を行っている。
BVPiC85蛋白質は膜型の糖蛋白質であり、糖鎖の機能に関しては不明であった。そこで、糖鎖結合部位の変異体を作成し、タンパク質発現解析、in vitro translationによる糖鎖解析、confocalを用いた局在の検討の結果、成熟糖鎖の付加が膜での局在、リン取り込み活性において重要である事を明らかにした。また糖鎖はBVPic85の膜での安定性に関与することが示された。さらにその分解経路はproteasomeによる可能性が示され、他のリントランスポーターとは異なっており、これらの違いが機能の違いにつながる可能性を示した。また骨と腎をつなぐ新規リン調節系として注目されているKlotho/FGF23との関連を検討した結果、klothoが直接BVPic85の機能を調節する可能性が示されている。次にBVPic85と相互作用する蛋白質の同定を行い、細胞内の局在に関与する蛋白質の同定に至った。今後はさらに同定した蛋白質の役割と血管平滑筋細胞を用いたBVPic85の機能解明を進めることによりBVPic85の生体内における役割と、生命予後を左右する異所性石灰化の分子制御機構を明らかにする。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Fibroblast growth factor 23 mediates the phosphaturic actions of cadmium2010

    • 著者名/発表者名
      Aranami F
    • 雑誌名

      J Med Invest. 57(1-2)

      ページ: 95-108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An apical expression signal of the renal type He Na^+-dependent phosphate cotransporter in renal epithelial cells2010

    • 著者名/発表者名
      Ito M
    • 雑誌名

      Am J Physiol Renal Physiol 299(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phosphaturic action of fibroblast growth factor 23 in Npt2 null mice2010

    • 著者名/発表者名
      Tomoe Y
    • 雑誌名

      Am J Physiol Renal Physiol (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Npt2a and Npt2c in mice play distinct and synergistic roles in inorganic phosphate metabolism and skeletal development2009

    • 著者名/発表者名
      Segawa H
    • 雑誌名

      Am J Physiol Renal Physiol 297(3)

      ページ: F671-678

    • 査読あり
  • [学会発表] 寿命調節因子 Klotho によるリン代謝調節2010

    • 著者名/発表者名
      大井彰子
    • 学会等名
      第13回日本病態栄養学会 総会
    • 発表場所
      京都(国立京都国際会館)
    • 年月日
      2010-01-10
  • [学会発表] Klotho modulates the activity of Type IIc Na+-dependent phosphate cotransporter(NaPi-IIc)2009

    • 著者名/発表者名
      西山俊
    • 学会等名
      The American Society of Nephrology(ASN)2009
    • 発表場所
      San Diego, USA
    • 年月日
      2009-10-30
  • [学会発表] 2つのリン酸輸送対分子による生体内リン代謝調節機構の解明2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤美紀子
    • 学会等名
      第63回日本栄養・食糧学会 総会
    • 発表場所
      長崎(長崎パブリックホール)
    • 年月日
      2009-05-22
  • [学会発表] 無機リン酸代謝異常症の解明 糖鎖による NaPi IIc cotransporter の機能調節2009

    • 著者名/発表者名
      大井彰子
    • 学会等名
      第63回日本栄養・食糧学会 総会
    • 発表場所
      長崎(長崎パブリックホール)
    • 年月日
      2009-05-22
  • [学会発表] Klotho による NaPi IIc transporter 調節メカニズムの解明2009

    • 著者名/発表者名
      西山俊
    • 学会等名
      第63回日本栄養・食糧学会 総会
    • 発表場所
      長崎(長崎パブリックホール)
    • 年月日
      2009-05-22

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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