研究課題
研究最終年度である今年度では、(1)Nedd4L遺伝子ノックアウトマウスの作成と解析については、targeting vectorの作成、ES細胞へのelectroporation、偽妊娠マウスの子宮への接種、キメラマウスの作成を終え、一昨年12月ヘテロマウスを得ることができた。現在、ホモノックアウトマウスを繁殖中で、今後表現型の解析を進めていく。一部先行して、代謝ケージでの飼育による検討を行い、これまでの研究成果に基づいた、食塩感受性の尿細管機能障害を見出している。今後は、その分子メカニズムを解明し、病態に基づいた診療への応用を目指す。(2)ノックアウトマウスの背景種であるC57Bl6/Jを用いて、高食塩食負荷によって生じた高血圧症に対して、ACE阻害薬、ARB、選択的アルドステロン拮抗薬を投与し、腎、心でのナトリウムチャンネル、Nedd4Lの発現に対する影響を検討して、心腎連関との関連や、より効果の高い治療法を検討している。(3)新規家庭血圧計HEM-5041は、夜間血圧測定機能を有しており、携帯型24時間自動血圧計のもっ欠点(測定のばらつき、睡眠の質の影響)を補う有用性が期待される。基礎検討を終えて、実地臨床応用を期待した臨床研究を遂行し、データの解析を行っている。以上の研究成果の一部は、今年度行われた第20回欧州高血圧学会(Oslo、Norway)で、3演題(うち1演題はメイン会場での口演に取り上げられた。)を一挙に発表する機会を得ることができ、着々と成果を上げている。
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Am J Physiol Renal Physiol
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http://www.yokohama-medicine.org/