研究概要 |
本年度は,『組織ATRAP発現量/AT1受容体発現量の低下→組織局所でのATRAP発現低下に工るAT1受容体情報伝達系活性の亢進→心血管系疾患,腎障害,メタボリック症候群の発症・進展』という仮説の検証のために,主にgain-of-function in vivo strategyにより,ATRAP機能を生体レベルで解明すべく,発生工学的手法により得られた全身性ATRAP過剰発現マウス,心・腎特異的ATRAP過剰発現マウス,および他の病態モデル動物を用いて,ATRAP機能の心血管系リモデリングおよびメタボリック症候群におけるATRAPの機能的意義についての生体レベルでの解析を行い,未知の部分が依然として多いATRAPの機能をin vivoの面から検討した.具体的には,研究代表者は,全身性ATRAP高発現トランスジェニックマウスを作製した.全身的なATRAPの機能亢進が実際に食塩負荷,アンジオテンシンII負荷,大動脈縮窄負荷において心血管病変を軽減させるか否か,および高脂肪食負荷において体重増加,肥満,高脂血症,インスリン抵抗性などのメタボリック症候群を改善させるかかについて検討した.この検討により全身性のATRAP発現亢進の心血管系保護作用とメタボリック症候群改善が明ちかにされた.連携研究者:愛媛大学・医学研究科・教授 堀内正嗣(全身性ATRAP高発現トランスジェニックマウスの心血管系機能の解析を担当).
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