研究概要 |
1) リン負荷により確実に誘導される血管石灰化モデルをin vitro並びにヒトで確立する。 SDラット腹部大動脈をLomashvili KAらの方法[J Am Soc Nephrol 2004;15:1392-1401]に基づき組織培養を行い、Medium中のリン濃度1.0mM以下と3.5mM以上の条件化の培養でin vitro条件ですでに中膜石灰化を観察し報告した。またヒトモデルとして、高リン血症を呈する慢性腎不全患者において腹部大動脈石灰化をCT撮影にて定量化する方法を考案し報告した。今後は本実験系を用いて血管石灰化の機序とリン感受性機構の解明を目指す。 2) 上記の1)の血管石灰化モデルにて、石灰化部位と非石灰化部位を採取し、TRIzol reagent(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いたRNeasy MinElute cleanup kit(Qiagen, Valencia, CA, USA).にて、RNAを精製しRNA濃度を260nm吸光度測定系にて調整後、1%agaroseゲルにて更に精製した。その後、このRNA試料をFilgen(Filgen Inc., Nagoya, Japan)システムを用いてマイクロアレイ解析を行った。実際には2.0μgの精製RNAをRNA Transcript SureLABEL Core Kit(TaKaRa BIO Inc., Tokyo, Japan)にて標識し、アンチセンスRNAsをmicroarray chip(FilgenArray Rat 27k, Filgen Inc., Nagoya, Japan)と反応させハイブリダイズし、標識の強度をArray-Pro Analyzer Ver4.5(Media Cybernetics, Inc., Silver Spring, MD, USA)にてカウントし、非石灰化部位をコントロールとして増減を検出した。今回、カウント3倍以上を陽性とし増加した遺伝子群のみならず減少した遺伝子群も検出し同定し報告した。
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