研究概要 |
多発性硬化症(MS)はクローン病とともに本邦で有病率が増加している疾患であり,その発症機転には衛生状態改善をはじめとした環境要因の関与(衛生仮説)が提唱されている.MS末梢血にはIL-17を産生する特異なdouble negative T(DNT)細胞分画が存在していること,DNT分画はγδT細胞をはじめとしたinnate T(iT)細胞を多く含み,自然免疫と獲得免疫を橋渡しする鍵となる分画であること,iT細胞群には粘膜集積性の高い細胞系列が存在することから,衛生環境の最前線にある「粘膜」の免疫機構はMSの発症を修飾している可能性が示唆された.
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