研究課題/領域番号 |
20590993
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
犬塚 貴 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50184734)
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研究分担者 |
保住 功 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (20242430)
田中 優司 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70377654)
木村 暁夫 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (00362161)
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キーワード | プロテオミクス / 抗筋抗体 / LC-MS / MSシステム / バイオマーカー / 二次元ブロット / 解糖系酵素 |
研究概要 |
筋無力症および筋炎の患者血清中に存在する特異的自己抗体の検索を行うため、昨年度に設定した二次元電気泳動条件を用いて、ラットの骨格筋の全蛋白を、pH3-11、12%SDSゲル等で展開し、これをナイロン膜へブロットし、多発性筋炎の患者血清を用いて免疫染色した。抗体反応スポットにマッチングしたゲルを切り出し酵素処理した後、LC-MS/MSシステムで反応抗原の解析同定を行った。その結果、膜糖タンパク、中間径フィラメント、Cyclin family、クロマチン関連蛋白など6つの候補抗原が検出された。その一つは、実験的筋炎の細胞性免疫機構における自己抗原候補として報告されている解糖系酵素(Kawachi et al. J. Neuroimmmunol, 2001)であった。これに対する抗体は多発性筋炎の複数の患者に検出されたが、疾患との関わりや、診断マーカーとしての有用性を知るために、このヒトリコンビナント蛋白を用いた一次元ブロット法を確立させた。現在、多数検体ならびにその他の神経筋疾患患者と健常者の血清を用いてそれぞれの陽性率を検討中である。また多発性筋炎患者群では、筋症状に関する臨床的所見、検査所見、筋病理所見、画像所見との対応を検討している。多発性筋炎は基本的には細胞性免疫機構が病態に関与しているとされているが、近年各種抗筋抗体の報告もあり、我々の結果を併せ、液性免疫の病態への関わりを検討すべき時期に至っていると考える。
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