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2010 年度 実績報告書

プリオン感染に関与する新規分子の探索、およびその作用機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20591002
研究機関長崎大学

研究代表者

布施 隆行  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30432975)

研究分担者 西田 教行  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40333520)
キーワードプリオン / 神経細胞 / 脳 / 精製 / 感染機構
研究概要

ヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)や牛の海綿状脳症(BSE)は、致死性の中枢神経系の疾患であり、現在、効果的な治療薬・治療法は無い。本研究は、この疾患を克服するため感染に必須な因子を精製・同定し、プリオン病原体の感染メカニズムを解明する事で治療薬の開発、治療法の確立に寄与する事を目的とした。プリオン病の病原体は異常型PrPを含む構造物で複合体を形成していると考えられている。そこで本研究では単一な培養細胞系から感染因子の精製を始めた。プリオン感染マウス神経細胞の上清または細胞抽出液を準備し、分子密度の違いにより分画(密度勾配遠心法)した。各分画における感染価を測定した結果、分子密度に応じて感染性が異なりプリオンの精製に成功した事を確認した。さらに最も感染価の高い分画を二次元電気泳動法およびLC/MSにより差異解析を行い、感染細胞でのみで発現するタンパク質を検出した。その結果、プリオン感染細胞特異的なタンパク質群として細胞抽出成分から33種類、培養上清成分から93種類の分子の同定に成功した。これらの中には、先に報告されたExsosome関連タンパク質の他に、今までプリオンとの関連性が知られていないNCAM1やCD47などの膜タンパク質(他3種)、HSP70やHSP83などのシャペロン関連群(他多数)、Rasなどのシグナル伝達関連(他多数)、その他には酵素や他の微生物由来のタンパク質も見出されている。これらはプリオンの構成成分の一部として存在する事や感染に関与するKeyのタンパク質である可能性が示唆された。これらの結果をもとに今後、詳細に検討する事で、プリオンの本体ならびに感染機構を明らかにする事ができると期待できた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Ultrasensitive human prion detection in cerebrospinal fluid by real-time quaking-induced conversion.2011

    • 著者名/発表者名
      Atarashi R, Satoh K, Sano K, Fuse T., et al.
    • 雑誌名

      Nature Medicine

      巻: 17 ページ: 175-8

    • 査読あり
  • [学会発表] プリオン株における増殖性と細胞膜タンパク質への結合性の違い2010

    • 著者名/発表者名
      布施隆行
    • 学会等名
      第58回日本ウイルス学会学術集会
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島)
    • 年月日
      20101107-20101109
  • [備考]

    • URL

      http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/mmi/cmb/

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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