研究概要 |
本研究は"神経筋難病の幹細胞/遺伝子治療法の開発"を大目標として掲げている。具体的には難病・筋ジストロフィーをターゲットに定め、病的骨格筋に治療用蛋白質"dystrophin"を導入する(replacement therapy)ことである。1) まず治療研究に用いるウイルスベクターの作成及びその機能確認をおこなった。特にマーカー遺伝子(LacZ, eGFP)、複数の短縮型dystrophinとdystrophin/eGFP fusion遺伝子、骨格筋への特異的分化誘導を促す因子(MyoD, Pax7など)を発現カセットにサブクローンを終了し、シーケンシング、HEK293細胞等に導入し、FRCS、western blotting、免疫染色で確認した。2) 一部はすでにLentivirus vector作成用カセットに挿入し、ベクターを作成、CMV, RSV, CAGなどの非特異的プロモーター以外に、骨格筋特異的なHuman Skeletal α-actin genepromoter (HSA), CK6 (modified Creatinin Kinase promoter 6), CK7を用いた。マーカー遺伝子及び、短縮型dystrophinとdystrophin/eGFP fusion遺伝子、MyoD, Pax7の発現をHEK293細胞などの哺乳動物細胞で確認した。3) 調節型myoDをマウス由来線維芽細胞に導入し、ex vivoおよびin vivoで骨格筋への分化誘導を行い、mdxマウスへの短縮型dystrophin遺伝子導入に成功した。さらに効率を改善するため検討を続けている。4) 直接、モデル動物(mdxマウス)に直接筋注した。長期的な発現を確認し、特に生理学的評価として骨格筋の収縮性・耐性の評価としてspecific forceとcontractionに対する耐性試験を行い治療効果を検討した。
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