研究概要 |
1.JASPACにおける検体受付,解析状況 2009年3月5日現在,34都道府県,93施設より家系が登録され,129検体を収集している.そのうち83検体を共同研究施設と共に解析しており,うち26検体については解析終了し,登録施設に解析結果を送付した,内訳は,SPG4 19例,SPG3A 4例,SPG31 1例,SPG11 1例であった.当科でもSACS遺伝子解析を4検体行い,1家系で新規の遺伝子変異を同定した,また,検体だけでなく,臨床症状や画像検査結果なども併せて集積しており,本邦の遺伝性痙性対麻痺家系のリソース基盤ができつつある. 2,候補遺伝子解析 当科の家族性痙性対麻痺症例で,網羅的遺伝子解析により既報告遺伝子の変異が無かった6家系例で,候補遺伝子と考えた,katanin p60遺伝子の解析を行った.その結果,エクソン内,エクソンとイントロン接合部に遺伝子変異は同定されなかった 3、連鎖解析 当科の常染色体劣性遺伝性痙性対麻痺症例で,SPG17の遺伝子Seipinのエクソン8にナンセンス変異がヘテロ接合で同定された.しかし,同症状を呈している同胞例には,この変異は同定されなかった,この家系で連鎖解析をSNP6.0アレイで行ったところ,染色体1, 2, 11, 17でホモ接合領域が長い部分が存在した,今後これらの領域のハプロタイプ解析を行い,有意な連鎖を示す領域内に存在する候補遺伝子の解析を行う予定である.
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