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2008 年度 実績報告書

Lipid Raftsにおける家族性パーキンソン病原因たんぱくの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20591010
研究機関順天堂大学

研究代表者

久保 紳一郎  順天堂大学, 医学部, 准教授 (20327795)

研究分担者 服部 信孝  順天堂大学, 医学部, 教授 (80218510)
キーワード家族性パーキンソン病 / lipid rafts / LRRK2 / PINK1 / Parkin / DJ-1 / 膜輸送
研究概要

家族性パーキンソン病の原因タンパクの異常が黒質神経細胞死という共通の結果につながることは確かであるが、その変性過程にこれらのタンパクがどのように関わっているのか、また各々の遺伝子産物の詳細な細胞内局在に関する情報はほとんどない。近年、家族性パーキンソン病の原因タンパクであるα-synucleinとparkinがシグナル伝達、膜輸送などの細胞の重要な働きを担う細胞膜のmicrodomainであるlipid raftsに結合すると報告された。さらに我々は平成18年度の研究でLRRK2もlipid raftsに結合することを報告した。そこで家族性パーキンソン病の原因タンパクとlipid raftsの相互作用が変性機序を解明する上で重要であると考え、この点を明らかにするために、まず常染色体劣性パーキンソン病の原因タンパクのひとつであるPINK1を培養細胞に発現させ、細胞免疫染色および生化学的解析から同タンパクの一部は膜に局在し、界面活性剤不溶性画分に回収されることを確認した。さらにPINK1とparkinを培養細胞に共発現させ、免疫沈降法、fluorescent resonance energy transferを用いてこれらタンパクの結合を明らかとした。また、この相互作用によりparkinがPINK1を安定化することを解明し、実際にparkinノックアウトマウスの脳ではPINK1の発現が低下していることを示し、現在論文投稿中である。また、もうひとつの常染色体劣性パーキンソン病の原因タンパクであるDJ-1についてもその細胞内局在を培養細胞およびマウス脳を用いて詳細に検討し、同タンパクがシナプトソームの膜成分に結合することを見出した。さらに培養細胞の免疫細胞化学的検討においてDJ-1はシナプス小胞の膜タンパクと共染することを明らかにした。このDJ-1のシナプス小胞の膜への結合はイムノアイソレーションにても証明し得た。シナプスの機能と関連している可能性が考えられ興味深い結果である。今後モデル動物を用いこれら家族性パーキンソン病の原因タンパクとシナプスを含めた膜輸送との関連をさらに検討する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Effective control of catatonia in Parkinson's disease by electroconvulsive therapy : a case report2009

    • 著者名/発表者名
      Kamigaichi R
    • 雑誌名

      Eur J Neurol 16

      ページ: e6

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Familial Parkinsonism with digenic parkin and PINK1 mutations2008

    • 著者名/発表者名
      Funayama M
    • 雑誌名

      Mov Disord 23

      ページ: 1461-1465

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Visual impairment in Parkinson's disease treated with amanta dine : Case report and review of the literature2008

    • 著者名/発表者名
      Kubo S
    • 雑誌名

      Parkinsonism Relat Disord 14

      ページ: 166-169

    • 査読あり
  • [雑誌論文] LRRK2 P755L variant in sporadic Parkinson's disease2008

    • 著者名/発表者名
      Tomiyama H
    • 雑誌名

      J Hum Genet 53

      ページ: 1012-1015

    • 査読あり
  • [学会発表] Possible localization of DJ-1 on the plasma membrane in the mouse brain and cultured cell lines2008

    • 著者名/発表者名
      Imai S
    • 学会等名
      The Movement Disorder Society
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      2008-06-24
  • [学会発表] PINK1 binds to cellular membrane2008

    • 著者名/発表者名
      Kawajiri S
    • 学会等名
      The Movement Disorder Society
    • 発表場所
      Chicago
    • 年月日
      2008-06-23
  • [図書] 別冊「医学のあゆみ」ここまでわかったパーキンソン病研究2008

    • 著者名/発表者名
      河尻澄宏, 久保紳一郎
    • 総ページ数
      100
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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