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2009 年度 実績報告書

Lipid Raftsにおける家族性パーキンソン病原因たんぱくの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20591010
研究機関順天堂大学

研究代表者

久保 紳一郎  順天堂大学, 医学部, 准教授 (20327795)

研究分担者 服部 信孝  順天堂大学, 医学部, 教授 (80218510)
キーワード家族性パーキンソン病 / lipid rafts / LRRK2 / PINK1 / Parkin / DJ-1 / 膜輸送
研究概要

家族性パーキンソン病の原因タンパクの異常が黒質神経細胞死という共通の結果につながることは確かであるが、その変性過程にこれらのタンパクがどのように関わっているのか、また各々の遺伝子産物の詳細な細胞内局在に関する情報はほとんどない。近年、家族性パーキンソン病の原因タンパクであるα-synucleinとparkinがシグナル伝達、膜輸送などの細胞の重要な働きを担う細胞膜のmicrodomainであるlipid raftsに結合すると報告された。さらに我々は平成18年度の研究でLRRK2もlipid raftsに結合することを報告した。そこで家族性パーキンソン病の原因タンパクとlipid raftsの相互作用が変性機序を解明する上で重要であると考え、この点を明らかにするために、まず常染色体劣性パーキンソン病の原因タンパクのひとつであるPINK1を培養細胞に発現させ、細胞免疫染色および生化学的解析から同タンパクの一部は膜に局在し、界面活性剤不溶性画分に回収されることを確認した。さらにPINK1とparkinを培養細胞に共発現させ、免疫沈降法、fluorescent resonance energy transferを用いてこれらタンパクの結合を明らかとした。また、この相互作用によりparkinがPINK1を安定化することを解明し、実際にparkinノックアウトマウスの脳ではPINK1の発現が低下していることを報告した。また、もうひとつの常染色体劣性パーキンソン病の原因タンパクであるDJ-1についてもその細胞内局在を培養細胞およびマウス脳を用いて詳細に検討し、同タンパクがシナプトソームの膜成分に結合することを見出した。さらに培養細胞の免疫細胞化学的検討においてDJ-1はシナプス小胞の膜タンパクと共染することを明らかにした。このDJ-1のシナプス小胞の膜への結合はイムノアイソレーションにても証明し得た。シナプスの機能と関連している可能性が考えられ興味深い結果である。現在、モデル動物を用いこれら家族性パーキンソン病の原因タンパクとシナプスを含めた膜輸送との関連をさらに検討中である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Mutation analysis for DJ-1 in sporadic and familial parkinsonism : screening strategy in parkinsonism2009

    • 著者名/発表者名
      Tomiyama H
    • 雑誌名

      Neurosci Lett 455

      ページ: 159-161

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Parkin stabilizes PINK1 through direct interaction2009

    • 著者名/発表者名
      Shiba K
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 383

      ページ: 331-335

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Unmet needs of patients with Parkinson's disease : interview survey of patients and caregivers2009

    • 著者名/発表者名
      Hatano T
    • 雑誌名

      J Int Med Res 37

      ページ: 717-726

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      久保紳一郎
    • 雑誌名

      パーキンソン病診療Q&A110(中外医学社)

      ページ: 205-209

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      久保紳一郎
    • 雑誌名

      パーキンソン病Q&A110(日本医事新報社)

      ページ: 5-8

  • [学会発表] DJ-1蛋白の細胞内局在に関する検討2009

    • 著者名/発表者名
      波田野琢
    • 学会等名
      第3回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-09
  • [学会発表] Parkin の放出機構への影響の検討2009

    • 著者名/発表者名
      江口博人
    • 学会等名
      第3回パーキンソン病・運動障害疾患コングレス
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-10-09

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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