• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

封入体筋炎における動的糖鎖付加の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20591012
研究機関関西医科大学

研究代表者

中野 智  関西医科大学, 医学部, 准教授 (30333206)

研究分担者 新出 明代  関西医科大学, 医学部, 助教 (10368235)
日下 博文  関西医科大学, 医学部, 教授 (70250066)
キーワード脳神経疾患 / 病理学 / ミオパチー
研究概要

疾患筋組織でO-GlcNAc転移酵素(OGT)の分布を免疫組織化学的により検討した。封入体筋炎と遠位型ミオパチー(DMRV)の筋組織の空胞化線維にOGT陽性封入体を認めた。封入体筋炎ではリン酸化蛋白質の凝集や核転写因子・Elk-1のリン酸化型(pElk-1)の異常凝集がみられる。免疫蛍光法により、OGT・リン酸化蛋白質・DNAの3重染色を行い、リン酸化蛋白質の凝集体とOGTの位置関係を比較したところ、これらのリン酸化蛋白質の異常凝集体とOGT陽性封入体は共存していた。一方、対照例では、OGT陽性封入体を認めなかった。次いで、OGTの産物であるO-GlcNAc修飾蛋白質について、特異抗体を用いて組織化学的に検討したところ、細胞膜と核膜にO-GlcNAcの強い反応が見られた。種々の病的筋の萎縮筋線維では、細胞膜上の陽性反応が低下または消失していた。また、封入体筋炎とDMRVの空胞の一部は辺縁が陽性であった。筋ホモゲネートのO-GlcNAcの免疫ブロットでは、10本程度の陽性バンドがみとめられ、疾患によりパターンに差を認めた。核孔蛋白質nucleoporin p62に対する抗体あるいは上記のElk-1に対する特異抗体を用いた筋ホモゲネートの免疫沈降により、筋組織ではNuc62、Elk-1はO-GlcNAc修飾されていることが分かった。蛋白質のO-GlcNAc修飾はリン酸化と同じアミノ酸残基にされることが多く、リン酸化と共役または拮抗して細胞内シグナル伝達や核細胞質間輸送を制御する。封入体筋炎とDMRVのOGT陽性封入体、O-GlcNAc修飾異常の原因についてさらに追及することにより病的機序の解明を目指したい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Histone H1 is released from myonuclei and present with DNA in rimmed vacuoles in inclusion body myositis.2008

    • 著者名/発表者名
      Nakano S., et al.
    • 雑誌名

      Neuromuscl Disord 18

      ページ: 27-33

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Expression of caveolar components in primary desminopathy.2008

    • 著者名/発表者名
      Shinde A., et al.
    • 雑誌名

      Neuromuscl Disord 18

      ページ: 215-219

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Immunohistochemical identification of messenger RNA-related proteins in basophilie inclusions of adult-onset atypical motor neuron disease2008

    • 著者名/発表者名
      Fujita K., et al.
    • 雑誌名

      Acta Neuropathol 116

      ページ: 439-445

    • 査読あり
  • [学会発表] 筋炎におけるDNA二本鎖切断修復酵素の検討2008

    • 著者名/発表者名
      西井誠, 他
    • 学会等名
      日本神経学会総会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-05-15
  • [図書] わかりやすい内科学(第3版)2008

    • 著者名/発表者名
      井村裕夫, 他
    • 総ページ数
      1481
    • 出版者
      文光堂
  • [備考]

    • URL

      http://www3.kmu.ac.jp/neurolog/kmu/labohtml.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi