昨年度の研究結果により、従来のコイルの約倍の径(半径10cm)の大型円形コイルを用いて角度をつけて腰部を刺激すると、従来のコイルでは最大上刺激に達しなかった正常被検者においても、腰部神経根誘発電位が最大上刺激に達することが確認できることがわかったため、本年度は神経疾患患者に対して適応を試みた。 特に近位部神経根に脱髄病変をおこすような、慢性脱髄性神経根症やギランバレー症候群などに応用を試みた。すると、従来の方法では直接的に近位部での病変を検出できなかったが、この方法では神経伝導ブロックおよび脱随の所見がより直接的に明確に検出可能であった。このことを、学会で報告すると共に、英文の論文に報告した。 さらに、同様のコイルを用いて従来刺激方法があまりなかった、馬尾および仙髄円錐部の刺激が正常者で可能であるか検討を繰り返し、最大上刺激にならないが刺激は可能であるという知見をえて、症例数をふやしている。
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