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2009 年度 実績報告書

神経筋疾患における筋組織内のアクアポリン発現性変化の病態機序に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 20591020
研究機関東京大学

研究代表者

清水 潤  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40260492)

キーワードaquaporin / 神経筋疾患 / 筋線維
研究概要

【背景と目的】昨年度の検討で、骨格筋に発現するaquaporin4 (AQP4)は再生、神経性変化、慢性化といった、筋線維の病態変化に伴い細胞膜上の発現低下を認め、AQP4の染色性は個々の筋線維の状態に伴い変化しており、筋線維の状態を示す鋭敏な指標となるとことが明らかになった。本年度は、炎症機序が筋線維のAQP4発現にどのような影響を及ぼすか、炎症性筋疾患におけるAQP4の発現に関して検討した。
【方法】対象:コントロール筋 3例、Dystrophinopathy 7例、Dysferlinopathy 6例、神経原性筋6例、縁取り空包を伴う遠位型ミオパチー群3例、Inflammatory myoparthy 42例。方法:抗アクアポリ4抗体(rabbit anti-AQP4 antibody Chemicon International AB3594×1500)で免疫組織染色をおこなった。解析:連続切片のルーチン組織化学染色と比較検討。連続切片を用いて、AQP4の筋細胞膜上の発現と、(1)炎症細胞浸潤の程度、(2)壊死・再生線維の頻度、(3)補体複合体C5b9抗体の沈着、の3つの指標との関連を半定量的に検討した。【結果】炎症性筋疾患では以下の点が明らかになった。(1)壊死線維、再生線維で染色性は低下~消失。(2)過収縮線維、空胞変性線維、perifascicular atrophy部位の線維の染色性は正常。(3)非壊死筋線維で陰性化線維が増加。(4)高度のAQP4低下を示す2症例が存在。(5)非壊死AQP4陰性化線維の増加の程度はC5b9の筋組織沈着の程度は相関する。【結論】本検討ではじめて、炎症性筋疾患では非壊死筋線維上のAQP4発現が低下することが明らかになった。また、補体系活性化を伴う炎症性機序が非壊死筋線維上のAQP4発現の低下の1つの要因であることが明らかになった。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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