研究概要 |
これまでの研究では上肢をイスの肘掛けに単純に固定する程度の状態で実験を行っている.しかし,本研究では専用の実験装置を作成し,精密な測定を行うことがポイントである.専用上肢固定装置にはトルクメーターを内蔵すると共にその張力を定量するためのキャリブレーション機能,関節角度を測定すると共に任意の角度で固定する機能を内蔵させる必要がある.しかし,既製品にそのような性能を持ったものはなく,本研究費で特注品を製作する必要があった. 従って,本研究では初年度に機器の設計・製作をまず行い,その後研究に着手する必要があった.(そのために,研究の実施期間を4年としていた.)機器の設計の設計には類似する高精度ま機器がないため,長時間を費やさざるを得なかった.機器の製作後も安全性を確保する機構,精度を十分に高めるための改良をおこない,微調整を頻回に繰りしおこなった.結果,高精度な記録を正常者,患者で行うことが可能であった. 正常者における記録を開始し,患者でも記録出来る記録方法を確立すべく,予備実験を開始し,相反性Ia抑制,異名性Ib抑制,シナプス前抑制,皮質内抑制,脳梁間抑制の計測を開始した.これらは前腕屈筋,心筋群で記録するが,従来の研究との比較のため,坐位でのヒラメ筋および前脛骨筋での記録も同時におこなった,これらにより,今後の患者における研究の基礎的手法を確立することができた.
|