研究概要 |
これまでの研究では上肢をイスの肘掛けに単純に固定する程度の状態で実験を行っている.このために初年度に作成した機器を用いた記録の安定性の検証をおこなった。また、筋電図解析ソフトウェアを更新し、記録を長時間安定し記録することが可能となった。 正常者における記録を開始し,患者でも記録出来る記録方法を確立すべく,予備実験を開始し,相反性Ia抑制,異名性Ib抑制,シナプス前抑制,皮質内抑制,脳梁間抑制の計測を開始した.これらは前腕屈筋,心筋群で記録するが,従来の研究との比較のため,坐位でのヒラメ筋および前脛骨筋での記録も同時におこなった,これらにより,今後の患者における研究の基礎的手法を確立することができた. また、パーキンソン病患者で研究を行うについては治療効果との関連についても検討することが重要である。現在進行したパーキンソン病の治療として定位脳手術の他に、大脳深部刺激術が主流となっている。脳内に金属を留置した状態で経頭蓋磁気刺激を行う事の安全性については統一した見解は出されていない。そのため、実験モデルを作成し、深部刺激装置を挿入した状態での経頭蓋磁気刺激の安全性について研究した。結果、一定の条件であれば安全に経頭蓋磁気刺激をおこなう事が可能であるが、皮下の電極の固定方法と磁気刺激装置の位置、刺激強度の条件によっては脳組織に障害を生じさせる可能性が否定できないことが明らかとなった。今後は安全に行える範囲でのみ磁気刺激を行って検討を進める。
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