研究課題
パーキンソン病(PD)では黒質線条体系ドパミンだけでなく、多系統の神経系が変性することが知られている。しかし、神経変性から臨床症候に至る病態生理は未だ不明な点が多い。研究の全体構想ではPPの病態生理をシステムレベルで理解するために、1.ドパミンをはじめとする神経伝達異常の同定、2.臨床症候に関わる神経ネットワークの同定、3.神経伝達異常と臨床症候に関わる神経ネットワークとの関係ついての検討、を行う。研究期間中には、PDの臨床症候の中で大脳皮質基底核ループの障害モデル(DeLong, Trends Neurosci 1990)によって説明可能なものは何か、を検討する。大脳皮質基底核ループの障害モデルでは,線条体のドパミン欠乏によって基底核と前頭葉で構成される回路め機能が障害され、臨床症候が出すると仮定されている。そこでまず、PD患者の線条体でドパミンが欠乏している部位をポジトロン断層法(PET)で同定する。一方で、臨床症候に関わる神経ネットワーク、すなわち障害された大脳皮質基底核ループを高磁場磁気共鳴画像装置(MRI)を用いて同定する。その上で、線条体のドパミン欠乏によって大脳皮質基底核ループが障害されて臨床症候が出現するという仮説が妥当かどうかを検討する平成21年度には、PD患者のドパミン欠乏位を同定する目的で^<11>C-CFTポジトロン断層法の施行を継続した。また、健常者及びPD患者を対象としてMRI拡散強調画像の撮像を行った。現在、解析方法について検討を重ね、障害された大脳皮質基底核ループを同定する手法を確立しつつある。平成22年度はデータをさらに蓄積すると共に解析手法にさらなる検討を加える予定である。
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