研究課題/領域番号 |
20591024
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
川又 敏男 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70214690)
|
連携研究者 |
小野 功貴 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 教授 (10243297)
向井 秀幸 神戸大学, バイオシグナル研究センター, 准教授 (80252758)
高橋 美樹子 帝京平成大学, 薬学部, 教授 (90324938)
前田 潔 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (80116251)
|
研究期間 (年度) |
2008 – 2010
|
キーワード | 痴呆 / シグナル伝達 / 神経科学 / 脳神経疾患 |
研究概要 |
本研究は、アルツハイマー型あるいは前頭側頭型認知症患者脳に蓄積する細胞内封入体である神経原線維変化(タングル)の主成分であるタウ蛋白の代謝異常と細胞内信号伝達機構との関連解明を目的としている。研究の対象は、神経疾患を持たない正常高齢対照者群12例および弧発性アルツハイマー型認知症患者群13例、合計25症例の死後剖検ヒト脳組織であり、それらを形態学的、生化学的に解析した。正常脳でFKBP12分子やPTEN分子は神経細胞体、核内や樹状突起、軸索に顆粒状に多く分布することが明らかとなった。一方、AD脳組織でFKBP12やPTENは全体的に減少していたものの、角回・嗅内野・海馬体で多発するタングル、あるいは老人斑内外に出現する変性神経突起やスレッドと呼ばれる異常構造、一部の反応性アストログリアに多量に蓄積していることが判明した。以上の結果から、FKBP12あるいはPTENが神経細胞やアストログリアの細胞骨格構築に関与し、AD変性ニューロン内部では神経細胞核から細胞質あるいはタングルへの再分布・蓄積が明らかになると共に、それに続くPI3K信号伝達経路の異常、核の機能障害への関与が示唆された。
|