研究概要 |
ジストニアの発現機序として、線条体ドパミン機能異常による淡蒼球の活動性変化が提唱されている。そこで、テトラヒドロビオプテリン(BH4)欠乏によって惹起されるドパ反応性ジストニア(Dopa-reonsive dystonia; DRD)の動物モデルである6-pyruvoy1-tetrahydropterin synthase (PTS)遺伝子改変マウスを作成し、行動・組織化学的に検索した。その結果、線条体コンパートメント構造へのドパミン入力に違いがあることを発見し、ストリオゾーム分画のドパミン機能低下がジストニア発現に関連していることを提唱した(Proc Natl Acad Sci USA,105:12551-12556,2008)。本研究は、ジストニアとパーキンソン症状が線条体コンパートメント構造のドパミン機能異常によって生じることを示した最初のものである。また、ジストニアやパーキンソニズムなどの不随意運動に対する治療において、上肢ジストニアに対する淡蒼球刺激術と視床Vo-complex刺激術の有効性を示した(Neurology,70:1500-1501,2008)。また、パーキンソン病愚者に対する視床下核刺激術がレボドパ不応性症状にも有効であることを示した(Acta Neurochirurgica (Wien)150:15-22,2008:Movement Disorders(in press)。さらに、遅発性ジストニアに対する淡蒼球刺激術の治療効果について報告した(Mov Disord,23:1929-1931,2008)。
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