研究概要 |
今年度は、パーキンソン病を対象として非運動症状の病態および治療に関する検討を行い、成果の一部を国内外の関連雑誌に投稿し受理させることができた。非運動症状の病態に関しては、嗅覚障害(Masaoka, Kawamura et al.,2008, Shimizu, Kawamura et al.,2008)、行動選択の障害(小早川,鶴谷、河村2008)などについて報告し、治療に関しては投薬の効果や影響について(Ohno, Kawamura, et al.2008,村上、河村らin press)報告した。 また、 REM睡眠行動異常症を対象として、感覚障害、社会的認知障害、自律神経障害の発症の有無や症状の推移を追跡した。具体的には嗅覚検査、表情認知検査、意思決定検査等の神経心理検査について初診時からのデータの変化を追跡した。また、病巣についてPETによる分子イメージングを用い評価を行った。 さらに、自律神経機能評価のためにMIBG心筋シンチグラフィーや、便秘や睡眠障害に関する問診を繰り返し実施した。これらの検討の結果、 REM睡眠異常症を持つ患者の一部ではパーキンソン病でみられるような非運動症状がみられ、 REM睡眠行動異常症に長く罹患している症例でその程度が大きいことが示唆された。これらの内容の一部は国内外の関連学会(MDSJ, ADPD2009)にて発表された。
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