ヒト膵島移植の際に不要物として廃棄される組織、膵導管細胞分画から、糖尿病治療に用いることができるインスリン産生細胞を作成(分化誘導)する研究を行った。種々の分化誘導条件を検討した結果、インクレチンの一種であるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)がインスリン産生細胞を増加することが分かった。また、この分化誘導過程でニューロジェニン-3(ngn-3)という転写因子の発現が亢進していた。ngn-3は幹/前駆細胞から膵B細胞が分化する際に一過性に発現する転写因子であり、我々の観察する分化誘導過程が同様の経路をたどっている可能性が示唆された。
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