研究課題/領域番号 |
20591043
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 和人 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (30455935)
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研究分担者 |
鈴木 浩明 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40344890)
中川 嘉 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (80361351)
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キーワード | 糖尿病性腎症 / 転写因子 / シグナル伝達 / 高血糖 |
研究概要 |
糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病は、終局的には虚血性心疾患や脳卒中などの動脈硬化疾患や失明、透析などの糖尿病性合併症を生じて、日本人のQOLおよび生命予後を著しく悪化させており、その管理予防が現代社会における危急の課題である。高血糖状態は糖尿病の合併症を促進する悪性状態である。糖尿病性合併症における血中グルコースが合併症を引き起こす分子メカニズムについて新たな知見を得る研究を行っている。 脂質・コレステロール合成酵素系遺伝子の発現を上昇させるSREBPは高血糖時発現が著しく上昇する。この高血糖がSREBPの発現を誘導する分子メカニズムについて、検討を行った。まず、Protehl KhlaseCbeta(PKCβ)の阻害薬が糖尿病の治療薬であることから、高血糖により、PKCβが活性されるかを検討した。高血糖時、PKCβの活性化とSREBPの発現誘導が同時に観察されることからその関連性に注目した。様々な生活習慣病モデルマウスのエサにPKCβの阻害薬を混合し、摂取させたところSREBPの発現の低下が見られた。高血糖によるPKCβの活性化はSREBPの発現を上昇させる。さらにSREBPの活性化は脂質・コレステロールの合成を促進させることになりさらに糖尿病合併症へのリスクを増大させる。このように、高血糖から始まる悪循環にPKCβとSREBPが深く関わることが明らかとなった。
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