研究概要 |
1.野生型マウスでのSREBP-1 RNA干渉による肝障害および周辺遺伝子への影響の再現性検討 ウイルス再作成を行った。その結果、SREBP-1遺伝子発現抑制,肝臓のトリグリセリド含量低下,コレステロール含量増加、SREBP-1下流の酵素群の低下,糖新生系や脂肪酸代謝系酵素発現低下を認める点は再現された.また食餌性肥満マウスにおけるSREBP-1ノックダウンでの血清TGの顕著な低下、血糖・インスリンが不変であることも確認された.昨年度混入が疑われた遺伝子の発現がないことを確認し、同時に肝障害は本年度作成ウイルス感染では対照ウイルス感染群と比較してAST/ALT共に有意差がなく、肝障害は混入ウイルスによる影響であると考えられた。 2.マクロファージにおけるSREBP-1抑制時の検討 マウス腹腔マクロファージ(MPM)を野生型C57BL6から採取し、対照ベクターおよびSREBP-1干渉ベクター(新規作成)を感染させたもの、およびSREBP-1欠損MPMに対照ベクターを感染させたものの3群を検討した。SREBP-1干渉MPMについては、昨年度までに認めていた点の再現性を確認した.これら3群のMPMにアセチル化LDLを添加しOil Red-0染色、MPM内脂質量の検討をおこない形態学的および含有脂質に群間の有意差は認められなかった。 3.SREBP-1ノックアウトマウスと野生型マウスに対する食事性肥満の影響の検討 交配によりLDL受容体・SREBP-1二重欠損マウスを得た。LDL受容体単独欠損マウス(高コレステロールで高脂肪食負荷により動脈硬化を発症)に比較し、二重欠損マウスは血清Chol,TG共に低値であり、SREBP-1c発現ベクター感染により血清脂質はLDL単独欠損マウスとの有意差が無くなった。大動脈弁部の粥状プラークは二重欠損マウスで有意に形成が抑制されていた。
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