研究課題
我々はこれまでに、RBMX(RNA binding motif protein on X chromosome)とそれに結合する調節蛋白群SAFB1(scaffold attachment factor B1)およびmouse hypothetical protein LOC 673353が、SREBP-1cの発現を転写レベルで調節していることをマウス及びラットを用いて示した。しかし、RBMXを中心としたこのシステムがヒトにおいても働いているかはこれまで不明であった。今回我々は、このシステムがヒトにおいても作動することを示す。方法 ヒト由来培養肝細胞株HepG2を用い、ヒトSREBP-1cプロモータのリポーターベクター及びRBMX発現ベクターをリポフェクション法にてHepG2内に導入し、RBMX過剰発現のヒトSREBP-1cプロモータ活性に及ぼす影響をルシフェラーゼアッセイにて検討した。また、長さの異なるプロモータや既知のresponsive element変異プロモータのリポーターベクターを用い、活性の責任部位の同定を試みた。結果 HepG2にRBMXを過剰発現する事により、SREBP-1cプロモータ活性は2.5倍上昇した。プロモータの長さによる活性の違いを検討したところ、-571bpや-257bpの長さではRBMXの過剰発現にて有意な活性の上昇が観察されたが、-73bpの長さのプロモータではRBMX過剰発現の効果は見られなかった。-73bpから-257bpの間には二つのSREが存在することが知られている。これらのSREの一方を変異させて不活化すると、活性は半分以下となり、両方とも不活化するとプロモータ活性はRBMX過剰発現の有無にかかわらず完全に消失した。SREよりさらに上流のLXREを変異させて不活化しても若干の活性低下にとどまった。
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Endocrinology 150
ページ: 1654-1661
BMB reports (In press)