研究課題/領域番号 |
20591064
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
川崎 英二 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 准教授 (70336171)
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研究分担者 |
阿比留 教生 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (00380981)
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キーワード | 1型糖尿病 / 自己抗体 / 自己抗原 / 亜鉛 / 一塩基多型 / 劇症1型糖尿病 / ラジオイッムノアッセイ / 診断 |
研究概要 |
1.抗ZnT8抗体測定系の確立と疾患特異性の検討: ヒトZnT8cDNAを用い、RIA法により抗ZnT8抗体の高感度測定系を確立した。 (1)ヒトZnT8cDNAの268-369番目のアミノ酸をコードするcDNAを、発現ベクターに挿入した。 (2)In vitro transcription/translation法により^<35>S標識ZnT8蛋白を作成し、RIA法にて健常人、1型糖尿病、2型糖尿病患者血清との反応性を検討した。 (3)ZnT8蛋白に対する結合率を陽性コントロールおよび陰姓コントロールを利用してindexとして表し、健常人139名のindexの99パーセンタイル値をカットオフ値に設定した。 (4)ZnT8抗体の陽性率は、典型的1型糖尿病で59%、劇症1型糖尿病で0%、GAD抗体陽性2型糖尿病で21%、GAD抗体陰性2型糖尿病で2%と1型糖尿病において有意に高頻度であった。 (5)本測定法を用いてImmunology and Diabetes Societyの国際自己抗体ワークショップに参加した。 2.抗ZnT8抗体の特異性と遺伝子多型の関連についての検討: (1)ZnT8遺伝子(SLC30A8)のArg325Trp多型は、2型糖尿病疾患感受性SNPであるが、同時にZnT8抗体の認識部位に存在している。 (2)ZnT8の325Trp、325Arg、およびそのhybrid cDNAを用いて、1型糖尿病患者のArg325Trp多型とZnT8への反応性について検討した。 (3)Arg325Trp多型は、ZnT8抗体の結合性に強い関連を示し、本多型がZnT8抗体の特異性を決定していることが明らかになった。
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