研究課題/領域番号 |
20591067
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
小山 英則 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (80301852)
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研究分担者 |
福本 真也 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (90381996)
田中 新二 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 病院講師 (20448749)
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キーワード | 動脈硬化 / 肥満 / 炎症 / 脂肪細胞分化 / メタボリックシンドローム / インスリン / 遺伝子発現 |
研究概要 |
終末糖化蛋白(AGEs)受容体(RAGE)は、糖尿病合併症の病因・病態に深く関与する。今回我々はRAGEとadiposityの関連をApo E RAGEダブルノックアウトマウスを用いて解析し、その動脈硬化進展との関連を検討した。動脈硬化誘発食負荷群20週齢において、Apo E-/-RAGE-/-マウスはApo E-/-RAGE+/+に比べて体重、精巣上体周囲脂肪重量は有意に低下し、脂肪細胞サイズも低下していた。また大動脈プラーク面積は脂肪重量、脂肪細胞サイズと有意な正の、血清アディポネクチン濃度と有意な負の相関を認め、RAGEのadiposityに対する影響が動脈硬化進展に影響することが推測された。さらにRAGE-/-マウスの脂肪細胞サイズ減少に対する影響はApo E+/+のマウスでも観察された。脂肪細胞サイズの有意な変化が認められる以前の脂肪組織におけるgene microarray、ontology、KEGG pathway解析の結果、RAGE-/-脂肪組織においては脂肪細胞分化、インスリン情報伝達、脂肪酸生合成に関連する遺伝子が有意に抑制されていた。アデノウイルスを用いたRAGE過剰発現は3T3L1の脂肪細胞分化を促進し、肥大脂肪細胞が誘導され、インスリン情報伝達因子、脂肪細胞分化関連因子の遺伝子発現が有意に亢進していた。以上のように、RAGEはインスリン情報伝達に関与することにより、脂肪酸合成、脂肪細胞分化に影響し、adiposityに影響することが示された。またRAGEの動脈硬化進展に及ぼす影響の少なくとも一部は、adiposityに対する影響により説明されると考えられる。
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