研究概要 |
日本人2型糖尿病患者の空腹時血糖(GCK, GCKR, G6PC2-ABCB11, MTNR1B、Diabetologia2010)、および肥満(SEC16B, TMEM18, GNPDA2, BDNF, MTCH2, BCDIN3D-FAIM2, SH2B1-ATP2A1, FTO, MC4R, KCTD15、Diabetologia [in press])に関与する疾患感受性遺伝子を報告した。また2型糖尿病モデル(NSYマウス)の遺伝解析をおこない、耐糖能、体重、インスリン抵抗性に関与する遺伝子座が染色体11番と14番に位置し(Noso S et al.Diabetologia 2010)、脂肪分布に関与する遺伝子座が染色体6番に位置することを示した(第25回日本糖尿病・肥満動物学会)。非アルコール性脂肪肝炎モデル(FLSマウス)においてMTP遺伝子の機能を示した(J Hepatol 2010)。膵島自己免疫を有する自己免疫性甲状腺疾患(AITD)患者は、臨床的・遺伝的に1型糖尿病の特徴を有し(Metabolism[in press])、1型糖尿病とAITDにおいてHLAは両者に共通する疾患感受性遺伝子であるが、CTLA4、FCRL3、IFIH1はAITDに特有であり、INSとMAFAは1型糖尿病に特有の遺伝子であることを示した(4th Diabetes Masters Conference学術講演会)。Mafaは、胸腺におけるインスリン発現調節をおこない、NODマウス胸腺においてMafaとインスリン発現が低下していることを示し、Mafaが膵島自己免疫に関与している可能性を示した。1型糖尿病発症に関連するヒトMAFA多型がMAFA発現やインスリン転写に影響を与える機能多型であることをしめした(Noso S et al.Diabetes 2010)。
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