研究課題
(1)GLP-1産生L細胞を用いた増殖促進因子の検索インクレチンホルモンであるGLP-1産生消化管L細胞のの発生・分化様式を解明することは、糖尿病の治療法開発につながるとともに成因解明に寄与する可能性がある。マウスを用いた検討では、GLP-1産生細胞は胎生18日頃まで存在出生直前、すなわち、経口(授乳)前にすでに存在していることが明らかとなった。引き続き出生直前に発現の変動する増殖・分化因子や転写因子等を検索し、発生・分化機構を解析中である。GLP-1分泌促進因子(GLP-1-secretorv fctors : GLPSFs)およびL細胞増殖促進因子(L-cell proliferation factors : LCPFs)については糖尿病治療応用可能な強力な因子を見出せていない。ヒトL細胞株を用いた検討によると、経口糖尿病薬の一部がGLP-1分泌促進作用を有することを明らかにしており、論文作成中である。(2)糖尿病状態における腸管-膵島軸(entero-insular axis)の変化に関する検討2型糖尿病モデルマウス(db/dbマウス)を用いて、長期糖尿病状態における消化管L細胞の室的・量的変化を検討したところ、糖尿病状態の持続によりL細胞が増加することを明らかにした(投稿予定)。現在、糖尿病におけるL細胞増殖機構について検討中である。また、ヒトL細胞株を用いたGLP-1分泌および分化維持・増殖活性に関わる因子群についての検索を行い、モデルマウスとの比較検討を行っている。
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ページ: 1904-1912
Metabolism (In press)