研究概要 |
1)各種内分泌腫瘍、悪性腫瘍におけるMLL/menin-細胞周期経路の異常の解析第一外科学の浅尾高行准教授と第2外科学の鯉淵幸生助教との共同研究により、副腎腫瘍と大腸癌の癌部と正常部からRNAを抽出しMLL,menin,p27,p18,cyclin D1などのmRNA発現を検討した。その結果1)副腎腫瘍では、原発性アルドステロン症にてcyclin D1 mRNAが正常や他の腫瘍と比較して著明に亢進していること。2)大腸癌では癌部でMLL,p27mRNAの著明な低下が認められ両者に有意な相関が認められる。cyclinD1は癌部で亢進しMen1と相関しているが判明した。 2)MLLノックアウトマウス(MLLKO)における内分泌代謝関連表現型の解析千葉大学中山俊憲教授より、MLLKO+anti-OVA-specific TCR-αβトランスジェニックマウスの譲渡を受け野生型マウスとバッククロスを進めた。このMLLKOのホモ接合体は胎生致死である。ヘテロ接合については軽度の貧血を認めることが報告されてきたが、その他の表現系についてはまったく検討されていない。マウスの第5世代で、野生型と比較して軽度発育不全を認めることや下垂体のp27mRNA発現が有意に低下していることが判明した。従って、内因性のMLLがp27を制御していることが判明した。これまで、数匹の全身の解剖を行ったが、内分泌腫瘍の発症はみられていない。今後さらに匹数を増やし腫瘍の発生の有無を検討していく。
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