核内受容体はリガンド依存性転写制御因子であり、ホルモン依存性に標的細胞内の転写調節を行うことにより生体の生理機能や代謝調節、細胞の分化増殖に寄与している。核内受容体の一つであるPPARδは、エネルギー代謝において重要な機能を持つ核受容体であるが、我々はその発現が概日リズムによる制御を受けることを見いだした。概日リズム発現の意義と機能について解明することを目的に、骨格筋、心筋、脂肪組織からmRNAを抽出し、組織特異的、時間依存的に作用するコファクターの検索を試みた。まず、遺伝子発現量の違いを検討した上で、PPARδやその標的遺伝子発現量の多い時間帯のmRNAをいくつか選択し、T7ファージベクターcDNAライブラリーを作製した。また、PPARδのプロモーターをクローニングし、酵母one-hybrid法を用い、PPARδプロモーターをHIS3遺伝子につないだレポーター遺伝子を用いた活性化因子のスクリーニングを行った。ライブラリーとしては筋肉、脂肪組織から作成したmRNAを使用した。得られたクローンについて、現在二次スクリーニング目的にPPARδ/RXRαコンプレックス、CLOCK、RORとの相互作用をみる目的でGST-pull down assayを行っている。T7 Promoterを付加したプライマーを用いて陽性クローンのインサートをPCRし、直接in vitroトランスレーション法によって^<35>S標識蛋白を作成し、GST-PPARδ/RXRαコンプレックス、GST-CLOCK、GST-RORとの相互作用を確認している。
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