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2008 年度 実績報告書

新規に同定したTEL-Lyn融合遺伝子による骨髄増殖性疾患発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20591110
研究機関千葉大学

研究代表者

中世古 知昭  千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (30323398)

キーワード慢性骨髄増殖性疾患 / 骨髄線維症 / TEL-Lyn / チロシンキナーゼ阻害剤 / 白血病 / STAT5
研究概要

我々は骨髄線維症患者から新規に同定したTEL-Lyn融合遺伝子をIL-3依存性であるBa/P3細胞に遺伝子導入したところ、1L-3非依存性に自律的な増殖能を得ることを確認した。さらにC57BL/6マウス骨髄細胞からFACS sortingにて造血幹細胞(HSC)(CD34-C-Kit+Sca-1+Lin-:CD34KSL)を分離し、TEL-Lyn融合遺伝子を導入してコロニ-アッセイを行ったところ、TEL-Lyn融合遺伝子導入HSCでは、各種サイトカイン無添加にても、巨核球まで分化能を有するコロニ-が形成されることが確認された。これらのTEL-Lyn融合遺伝子導入によるBa/F3細胞のIL-3非依存性増殖や、HSCのサイトカイン非依存性コロニ-形成能はimatinibによっては全く抑制されず、比較的低濃度のdasatinibで完全に抑制された。TEL-Lyn融合遺伝子を導入したBaF3細胞およびUT-7/TPO細胞では、STAT5の恒常的なリン酸化が認められた。またJAK2、JAK3のリン酸化は起こっておらず、TEL-Lyn融合遺伝子は、JAK-STAT系を介さないSTAT5の活性化を引き起こしていると考えられる。次に、我々はTEL-Lyn融合遺伝子導入HSCを放射線照射したcongeneic mouseに移植した。これらのマウスは著明な好中球増加、肝脾産、著しい骨髄の線維化が生じ、移植後50日までに全てのマウスが死亡した。しかし、STAT5KOマウスの胎児肝のC-kit陽性細胞に同様にTEL-Lyn融合遺伝子を導入すると、SCF、TPO非存在下のコロニ-形成能は消失した。また放射線照射マウスへの移植では、6ケ月の時点で骨髄線維症の発症は観察されず、TEL-Lyn融合遺伝子による骨髄線維症発症には、STAT5が必要であることが明らかとなった。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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