研究概要 |
本年度は、マウス骨髄細胞、脾臓細胞、胸腺細胞などの血液細胞にレトロウイルスにより種々の白血病関連遺伝子(MLL-ENL, MOZ-TIF2, AMLl-Evil, AML1-ETQ, c-myc, bcr-abl, active STAT5)を導入し、放射線照射したレシピエントマウスに経静脈的に移植することにより、移植後数週から数カ月の期間、造血器腫瘍の発症の有無を観察し、いくつかにおいて白血病の発症を観察した。今後は、これらのマウスに種々の抗癌剤の投与を行うことで、白血病幹細胞が濃縮されてくると考えられ、それらの存在するニッチについての検討を加える。 また、OP-9 stroma細胞上で、骨髄前駆細胞にレトロウイルスにて恒常的活性化型Notchlを導入する系において、同時に他の分化系列へ導く遺伝子を導入することで、NotchシグナルによるT細胞分化に与える影響について、invitroで検討した。B細胞系(Pax5, E2A, EBF)遺伝子の導入により、B細胞系への分化が認められた。現在、これらの細胞をin vivoへ投与することで、B-ALLの発症の有無について、検討中である。
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