研究概要 |
マウス骨髄細胞にレトロウィルスにより種々の白血病関連遺伝子(MLL-BNL)を導入した後、myeloid系の培養条件ではAMLが、lymphoidの培養条件ではALLが発症する。AMLとして発症した細胞にOP-9 stroma細胞上で、レトロウィルスにて恒常的活性化型Notch1を導入することにより一部T細胞系の表面マーカーが、B細胞系(Pax5,E2A,EBF)遺伝子の導入により、B細胞系の表面マーカーの発現が認められた。 このような白血病のlineage switchとニッチとの関連を調べるため、Notch ligandであるDelta1を発現させたOP-9細胞とMLL-ENLで不死化させた細胞との共培養により一部の細胞ではT細胞系列への分化が認められた。このように白血病細胞の中に多分化能をもつ細胞が存在し、それらはニッチシグナルにより分化が制御される可能性が示された。このような多分可能を持つ細胞はおそらく白血病幹細胞と思われるが、今後はそれらの検証を行っていく予定である。
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