研究概要 |
我々が独自に作製した、慢性骨髄球性白血病(Chronic Myelogenous Leukemia, CML)のトランスジェニックマウスを用いて、CML急性転化に関わる新規がん抑制遺伝子を単離することを目的として研究を行っている。 がん抑制遺伝子の単離のためには、両方のalleleに欠失を起こすことが必要となるが、この目的のために、両端にトランスポゼース認識配列を置きその間にsplicing acceptor siteとpolyAを配置したトランスポゾンのトランスジェニックマウス(Transposon Tg)と、全身で目的遺伝子が発現するlocusであるRosaにトランスポゼースをノックインしたマウス(Transposase KI)を掛け合わせ、さらに、トランスポゾンの挿入を受けた遺伝子変異を両alleleにするために、後天性にBloom遺伝子を発現抑制するマウス(Bloom KO)との掛け合わせを行う。 昨年度は、Transposon Tgを作製し、このトランスポゾンはトランスポゼースによりゲノム内を移動することが確認されたが、Bloom遺伝子のホモマウスが得られないため、マウスのバックグラウンドを変えて効率よくホモマウスが生まれる条件検討を行なっていることを報告した。 今年度は、マウスのバックグラウンドをB6系統からICR系統に変えたところ、頻度は低いがBloom遺伝子のホモマウスを得ることに成功した。このホモマウスを用いてTransposon TgおよびTransposase KIと交配を行い、Transposon Tg,Transposase KI,Bloom KOのトリプルマウスを得ているところである。このマウスが得られたら、CMLトランスジェニックマウスとの掛け合わせを計画している。
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