研究課題
BMI-1発現調節に関与する転写因子の同定や調節機構を明らかにするための研究の一つとして、リンパ腫について研究を行った。すなわち、リンパ腫ではリンパ腫細胞がBMI-1を高発現し化学療法に耐性となっていると考えられる症例があるため、リンパ腫におけるBMI-1の発現と抗癌剤耐性の関連性を検討した。リンパ腫細胞株にレトロウイルスベクターを用いてBMI-1を導入し、種々の抗癌剤に対する反応性を検討したところ、BMI-1高発現細胞株はエトポシド及びオキサリプラチンに対して耐性を示した。そこでBMI-1が抗癌剤耐性を有するメカニズムについて検討した。まず、MBI-1高発現株における遺伝子発現の網羅的解析を行ったが特異的に増減する遺伝子は認められなかった。そこで現在までにリンパ腫における抗癌剤耐性との関連性が報告されている数種類の蛋白についてBMI-1発現との関連性について検討を行い、BMI-1のターゲット遺伝子を同定しつつある。次にMDS/AML症例からのBMI高発現及び低発現骨髄CD34^+細胞(芽球)の採取としてAML1変異とともにN-RAS、SHP-2、NF-1、FLT-3のいずれかの変異を有する症例について、BMI-1陽性CD34^+芽球比率の低いRAEBの時期と、BMI-1陽性CD34^+芽球比率の高いRAEB-T~MDS-AMLの時期にそれぞれ骨髄液を採取し、CD34抗体-ビーズ法でCD34^+細胞を分離し、保存を進めている。
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