研究課題
基盤研究(C)
腫瘍-腫瘍血管を標的とした熱ショック蛋白を用いた抗白血病免疫の基礎研究を行った。血管内皮(EC)マーカーのCD31染色を用いて、A20マウスの腫瘍血管発現が見られることを確認した。MACSを用いてCD31抗体によるECの分離を試みたが十分なECが得られなかった。このためA20細胞へのGFP遺伝子導入A20細胞を作成し、A20腫瘍組織からGFP陰性分画をソーティングし、この分離細胞より腫瘍ECの分離を試みている。なお少数ECの増殖を試みるため、細胞不死化遺伝子であるteromerase reverse transcriptase(TERT:2909-6362)を含むベクターを作成した。今後A20腫瘍組織からEC分離を進め、TERT遺伝子を導入して細胞不死化・増殖を試み、腫瘍EC由来のHSP70の精製を計画している。ここで、B細胞腫瘍における有用な腫瘍血管内皮抗原の情報を得るため、ヒトのB細胞腫瘍で、腫瘍血管増生疾患であるPOEMS症候群の孤立性plasmacytomaに関して、免疫染色にて血管新生因子のVEGFやIGFの発現が亢進しているという有益な情報が得られた。さらにB細胞腫瘍の抗idiotype抗体が、CDCによる液性免疫を介してB細胞腫瘍の微小環境の血管新生抑制の可能性を示した。以上の知見から、B細胞腫瘍EC由来のHSPや、抗idiotype抗体等のユニークなモチーフにより、腫瘍血管内皮を標的とした新規免疫療法のアプローチが可能となった。
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Int J Hematol. (Epub ahead of print)
Cancer Sci. 99(7)
ページ: 1427-34