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2008 年度 実績報告書

造血幹細胞由来細胞から肝星細胞への分化機序の解明:新規肝線維症治療法を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 20591150
研究機関三重大学

研究代表者

桝屋 正浩  三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30281083)

キーワード単球 / 骨髄単球系前駆細胞 / 肝星細胞 / 四塩化炭素 / 肝傷害モデル
研究概要

肝星細胞は肝線維化の進展において重要な役割を演ずることが知られている。これまでに我々は、四塩化炭素による肝傷害時には造血幹細胞に由来する細胞が肝星細胞に分化しうることを報告した(Blood 2008 111:2427)。しかし、肝星細胞への分化に、造血幹細胞自身が関与するのか、それとも好中球、単球、リンパ球といった分化成熟した血液細胞が関与するのかは不明のままである。今回、我々はenhanced green fluorescent protein(EGFP)マウスの骨髄または脾臓から分離した単球、好中球、B細胞、T細胞を、四塩化炭素による肝傷害を与えたC57BL/6J-Ly-5.1マウスに輸注後、傷害肝内にEGFP陽性の肝星細胞が存在するかを検討した。評価は単位輸注細胞数(1×10^6細胞)当たりの肝臓内生着EGFP陽性細胞数で行ったところ、単球とT細胞を輸注されたマウスの肝臓組織内では比較的多くのEGFP陽性細胞の生着が確認されたが、B細胞と好中球を輸注されたマウス肝臓組織内では生着細胞数は少なかった。その生着したEGFP陽性細胞中のCD45陰性細胞の割合は、単球を輸注したマウスでは30%であったが、好中球、B細胞、T細胞を移植したマウスでは全く検出されなかった。Ly-6C^<high>c-kitの成熟単球だけでなく、Ly-6C^<low/-c>-kit^+の骨髄単球系前駆細胞が含まれる分画を輸注したマウスでもEGFP陽性CD45陰性細胞が認められた。これらの細胞は肝星細胞のマーカーであるvimentinとADAMTS13が陽性であり、肝星細胞と同定された。以上から、成熟単球と骨髄単球系前駆細胞は肝星細胞への分化能を有することが明らかとなった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Dual topology of functional Toll-like receptor 3 expression inhuman hepatocellular carcinoma : differential signaling mechanisms of TLR3-induced NF-kappaB activation and apoptosis.2008

    • 著者名/発表者名
      Yoneda K, Sugimoto K, Shiraki K, Tanaka J, Beppu T, Fuke H, Yamamoto N, Masuya M, Horie R, Uchida K, Takei Y.
    • 雑誌名

      Int J Oncol. 33

      ページ: 929-936

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deletion of chromosome arm 15q in a case of minimally differentiated hypoplastic AML-MO.2008

    • 著者名/発表者名
      Fujieda A, Masuya M. Kitano S, Miyazaki K, Yazaki A, Sugimoto Y, Usui E, Miyata E, Shibasaki T, Yamamura K, Ohishi K, Nishii K, Nakase K, Takeuchi T, Katayama N.
    • 雑誌名

      Cancer Genet Cytogenet. 184

      ページ: 57-61

    • 査読あり
  • [学会発表] 肝線維化における肝星細胞は骨髄系造血細胞に由来する2008

    • 著者名/発表者名
      宮田恵里, 桝屋正浩, 片山直之
    • 学会等名
      キリン血液疾患セミナー
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-11-01
  • [学会発表] 肝星細胞の起源の解明2008

    • 著者名/発表者名
      宮田恵里, 桝屋正浩, 片山直之
    • 学会等名
      第4回騏麟塾
    • 発表場所
      東京(品川)
    • 年月日
      2008-07-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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