研究概要 |
SLE患者におけるRasGRP1発現異常に関する我々の検討で,末梢血におけるRasGRP1スプライス異常とそれに伴う正常蛋白発現の低下が確認されている.異常RasGRP1のRNAが正常RasGRP1の発現をdominant-negativeにコントロールする可能性を考慮し,内因性にRasGRP1を発現するJurkat細胞にV5タグ付きRasGRP1スプライスバリアントをトランスフェクションし,抗RasGRP1抗体を用いて正常RasGRP1蛋白の発現が減弱するかどうか検討中である.in vivoにおける検討として,スプライスバリアントをT細胞特異的に発現するトランスジェニックマウスを作製している.C57BL6マウスを背景に,現在F0マウスを3系統得ておりF1マウスを作成中である. 関節リウマチ患者におけるRasGRP4の発現については,これまでの検討で末梢血単核球にスプライスバリアント数種を同定している.患者群において有意にバリアントの頻度が高く,単球における正常RasGRP4蛋白発現はRA患者において低値であった.また滑膜炎局所では組織染色においてCD68陽性細胞におけるRasGRP4発現がみられ、単球が分化後も炎症組織においてRasGRP4蛋白が存在し,何らかの機能を持つことが推察された.現在,破骨細胞においてRasGRP4が発現しているかどうか,連続切片をもちいてTRAP染色と抗RasGRP4抗体による染色を比較検討している.
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