研究概要 |
本研究は、関節リウマチはじめとする炎症性自己免疫疾患で発現が顕著の増加したS100カルシウム結合タンパク質とリウマチ等の関連性を明らかにする。 1.間接リウマチモデルマウスの作製 (1)フロイント完全アジュバントを用いて、関節リウマチモデルマウス(CIAマウス(DBAIJ))を常に70〜80%の頻度で作製することが可能になった。またリウマチ発生部位の全関節からTaqManPCRに使用できる高純度のRNAの回収が可能になった。 (2)関節リウマチに最も影響を及ぼす可能性が報告されているS100a4のKOマウス作製に必須のS100a4のコンディショナルターゲティングベクターの作製を終えた。 2.S100タンパク質の発現を抑制することで関節リウマチ治癒するか否かを検討する。またS100タンパク質の強制発現でリウマチが発症するか否かを検討する。 (1)関節リウマチと関連性が強く示唆されている3種類のS100タンパク(S100a4,a8,a9)の発現を抑制するsiRNAアデノウイルスベクターの作製と高濃度・大量調整を終えた(後は上記CIAマウスに導入するだけである。またTaqManPCRによりこれらのベクターのsiRNAの発現抑制能も検討を終えた)。 (2)(1)で記した3種類のS100タンパク質を強制発現するアデノウイルスベクターの作製と高濃度・大量調整を終えた。 3.S100タンパクとIL6をはじめとする各種サイトカインの相互作用を検討 この実験はヒト滑膜細胞を用いる実験のため、ヒトS100タンパク6種類(2種類S100A6,A11は我々のグループが新たに見出したもの)のsiRNAアデノウイルスベクターとタンパク強制発現アデノウイルスベクターの作製と高濃度・大量調整を終えた。 以上、本研究遂行に必要なマウス作成、実験の条件検討そして各種ウイルスベクターの作製はほぼ全て終了している。
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